MESSAGE

防災・減災・復興とは?

地震・津波・火山噴火・台風による集中豪雨などは、本来自然現象にすぎません。自然現象が発生した場所に人間がいたり、人間生活に悪影響をおよぼしたりした時にはじめて自然災害になります。災害を防ぐ「防災」という言葉がありますが、自然災害は人間がいくら努力を重ねても完全に防ぐことは難しいため、災害を減らす「減災」という考え方も浸透してきました。また、災害を拡大させない復旧に向けた活動や災害発生前以上の地域の再生を目指す「復興」に向けての計画も必要になります。

※国際連合(国連)など国際的には「災害リスク削減」を意味する「Disaster Risk Reduaction」が用いられる。
※防災・減災・復興に必要な「しなやかな強さ」「回復力」をSDGsでは「レジリエント」や「レジリエンス」という言葉で表現する。

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

  • 貧困をなくそう
  • 飢餓をゼロに
  • すべての人に健康と福祉を
  • 質の高い養育をみんなに
  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 安全な水とトイレを世界中に
  • エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 人や国の不平等をなくそう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 海の豊かさを守ろう
  • 陸の豊かさも守ろう
  • 平和と公正をすべての人に
  • パートナーシップで目標を達成しよう
※SDGsには17のゴール(世界的目標)の中に、それと達成するためのターゲット(課題)と232の指標があります。

SDGsのターゲットにある自然災害削減への取り組み

SDGsの17のゴール(目標)には、達成するために具体的なターゲット(課題)が設定されており、その中に自然災害に関するターゲットも多く含まれているので、ゴールと合わせて紹介します。

  1. 貧困をなくそう:あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる

    1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
  2. 飢餓をゼロに:飢餓を終わらせ、食料安全保障および栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する

    2.4 2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水およびその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。
  3. 住み続けられるまちづくりを:包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市および人間居住を実現する

    11.5 2030年までに、貧困層および脆弱な立場にある人々の保護に焦点をあてながら、水関連災害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、世界の国内総生産比で直接的経済損失を大幅に減らす。
    11.b 2020年までに、包合。資源効率、気候変動の緩和と適応。災害に対する強靭さ(レジリエンス)を目指す総合的政策および計画を導入・実施した都市および人間居住地の件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組2015-2030に沿って、あらゆるレベルでの総合的なリスク管理の策定と実施を行う。
  4. 気候変動に具体的な対策を:気候変動およびその影響を軽減するための緊急対策を講じる

    13.1 すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)および適応の能力を強化する。
  5. 陸の豊かさを守ろう:陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復および生物多様性の損失を阻止する

    15.3 2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつおよび洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。

防災・減災・復興に欠かせない教育目標(ESD)

SDGs4「質の高い教育をみんなに」には、ESD(Education for Sustainable Development)という教育目標があります。

ESDの基本的な考え方[知識、価値観、行動など]|環境、経済、社会の統合的な発展

ESDの基本的な考え方

ESDはそれぞれの項目がつながっています。たとえば「減災・防災」を考える時に、両隣の「海洋」と「気候変動」を無視することはできません。「海洋」は津波の発生や台風時の高潮によって、沿岸部に大きな災害を繰り返しもたらしてきました。台風のエネルギーは海水温と関係しており、集中豪雨や台風は「気候変動」と関係しています。

ESDのねらい

ESDでは「6つの視点」を軸にして、教師や生徒が持続可能な社会づくりに関わる課題を見つけ、「7つの能力・態度」を身につけることをねらいとしています。ESDはSDGsの基本的な理解につながり、SDGs達成に欠かせない教育目標であるだけでなく、防災・減災・復興教育の具体的な内容にも深く関わっています。本WEBサイトが、読者がこうした能力を伸ばすために必要な情報や考えるヒントとなることを心から願っています。

ESD(Education for Sustainable Development)

【6つの視点】
  • 多様性(いろいろある)
  • 相互性(関わりあっている)
  • 有限性(限りがある)
  • 公平性(一人ひとり大切に)
  • 連携性(力合わせて)
  • 責任制(責任を持って)
【7つの能力・態度】
  • 批判的に考える力
  • 未来像を予想して計画を立てる力
  • 多面的・総合的に考える力
  • コミュニケーションを行う力
  • 他者と協力する力
  • つながりを尊重する態度
  • 進んで参加する態度

【当サイトについて】

SDGsの達成に欠かせない自然災害の削減を,防災・減災・復興の事例から考えていくためのデータベースです。日本で起きたさまざまな自然災害に対する取り組みなどから,なにができるかを考えるヒントをお届けします。
本サイトの作製は,日本学術振興会科学研究費「SDGsを踏まえた防災・減災,復興等自然災害に関する教育の総合・体系化の構築」,「SDGs,人新世を踏まえた文理融合型の地球科学教育の再構築」の助成によります。

【運営・監修】

藤岡達也 TATSUYA FUJIOKA

滋賀大学大学院教育学研究科教授。東北大学災害科学国際研究所客員教授。博士(学術)。専門は防災教育,環境教育,科学教育。一般社団法人防災教育普及協会理事・日本地学教育学会副会長。国連防災世界会議及び国連国際防災戦略(UNISDR)防災グローバルプラットフォーム等でも講演。

【より詳しく勉強したい方へ】 藤岡達也著書・編著のおすすめの本

「絵でわかる日本列島の地震・噴火・異常気象」(2018、講談社) 「絵でわかる日本列島の地形・地質・岩石」(2019、講談社) 「絵でわかる世界の地形・岩石・絶景」(2020、講談社) 「SDGsと防災教育—持続可能な社会をつくるための自然理解」(2021、大修館書店) 「1億人のSDGsと環境問題」(2022、講談社)